2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境における生活公共性に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
20243030
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤田 弘夫 Keio University, 文学部, 教授 (60156875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友枝 敏雄 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (30126130)
田中 重好 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50155131)
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Keywords | 公共性の比較 / 公私関係動態モデル / 官民-公私関係概念図 / 街並みの看板 / 公共放送 / まちづくりと観光 / ブックタウンと観光 |
Research Abstract |
今年は生活のさまざまな側面で見られる多様な公私関係について議論するとともに、研究代表者の藤田が仮説的に提案した中国と日本の官民公私領域の概念図と西洋と日本の公私領域の概念図について、議論を深めた。8月に4日間14人が参加した合宿形式で、集中研究会を実施し議論を深めた。また、公私関係の多様な空間表象を収集するために、イギリス、ベトナム、韓国、中国、台湾で海外調査を実施した。 近年、東アジアは急激なグローバリゼーションの中で、西洋のパブリックープライベイト概念の影響を強く受けるようになっている。しかしパブリックープライベイトの間には東アジアの公-私関係とは異なって、道徳的価値の上下関係がない。ところが、東アジアにおいては、私(ワタクシ)が私利私欲、私曲、私生児などに象徴しているように否定的な意味をもっている。この点が、西洋と東アジアの社会の根本的な相違を生み出している点でもある。この意味で、新しい社会の研究にとって、従来の公-私(オオヤケーワタクシ)関係の変化をもたらしている。こうしたなかで、日本の公共性の概念は「存在」概念としてよりも、「機能」概念としての性格を強めているとの仮説を立てている。 本プロジェクトは、今後も公共観の空間表象を通じて明らかにしたい。このため生活のさまざまな側面の映像資料の収集と分析に努めることとする。
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Research Products
(5 results)