2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトとニホンザルにおける認知機能の加齢変化についての実験的比較研究
Project/Area Number |
20243034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正高 信男 Kyoto University, 霊長類研究所, 教授 (60192746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 左紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (40158407)
川合 伸幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (30335062)
川合 南海子 (久保 南海子) 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 講師 (20379019)
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Keywords | 認知 / 加齢変化 / 老齢ザル / 高齢者 / 動物モデル |
Research Abstract |
平成20年度にサル用の近赤外線光分光装置(NIRS)を開発し、測定まで行う予定であったが、プローブ本体の開発から必要であったため、平成20年度には開発が終了しなかった。 その予算を平成21年度に繰り越した。 【サル用近赤外線分光法(NIRS)の開発】 平成20年度に続いてサル用NIRSの開発を行った。 本体が完成したので、サルで実験をおこなった。まず、視覚入力に対してサルの頭皮上から血流の変化が測定できるかを検討するため、サルをモンキーチェアに固定し、後頭葉でNIRSの測定を行った。その結果、ビデオ映像を見た際に、血流量が上昇した。さらに、前頭葉においても血流の変化を確認した。これらは、セッションを超えても同じ反応が得られ、その測定指標が頑健であることが示された。前頭葉とくに背側部で視覚入力に対して反応が得られたということは、何らかの認知的な活動を反映していることが伺われる。これらは、ヒトでの結果と一致しており、世界ではじめてサル用NIRSの実用化に成功したといえる、サルでは単一神経細胞からの記録も可能であるので、これまで不明であった、神経細胞の局所的活動と、比較的大域での脳血流量の変化の対応を検討できる可能性がある。次年度以降は、抑制を伴う課題を実施し、老齢個体での計測も検討する。
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Research Products
(6 results)