2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Analysis of functional neuron circuits underlying variability and reconstruction of long-term memory
Project/Area Number |
20243035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SAKURAI Yoshio Kyoto University, 大学院・文学研究科, 教授 (60153962)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 長期記憶 / 神経回路 / ニューロン |
Research Abstract |
長期記憶の形成と保持に関する認知心理学的研究は、人間を対象とした多くの実験から、記憶情報が多様で重複したネットワークとして形成され、それが新たな記憶の形成に伴いさらに変化し再構成されることを示してきた。またそのような情報ネットワークの多様性と再構成が、無限ともいわれる長期記憶の容量、記憶情報の変容、新たな情報の生成、などを可能にしていると唱えてきた。 しかし、そのように柔軟な長期記憶の形成と保持を担っている神経回路網の実態は、まだわかっていない。特に、実際に長期記憶を形成し処理している脳を対象として解析した実験研究は、ほとんどない。脳内には実際に記憶情報のネットワークに対応するような機能的神経回路が存在し活動しているのであろうか? また、そのような機能的神経回路は、形成する記憶情報の違いに応じどのように形成され変化するのであろうか? さらには、そのように形成された機能的神経回路は、新たな長期記憶の形成に伴いどのように再構成され、その活動や構造を変化させるのであろうか? 本研究は、これまで認知心理学や情報科学が示してきた長期記憶の形成と保持に関するモデル、すなわち、多様で重複した情報ネットワークの形成や、新たな記憶形成に伴う情報ネットワークの再構成を、実際の機能的神経回路の活動として検出することを目指す。それは、独自の電気生理学的記録法とデータ解析法を駆使することで、かつて心理学者D.O.Hebbが唱えた機能的神経回路(セル・アセンブリ)を実証することでもある。同時に本研究は、セル・アセンブリの単なる実証にとどまらず、記憶情報に対応し柔軟に活動するセル・アセンブリの実態を実験的に明らかにすることで、既存の認知心理学・情報科学的モデルに新たな神経科学的知見を提供することも目指す。
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[Remarks] 月刊ビジネスアスキー(2010年1月号)『脳の信号を読み取って車椅子や身体を動かせる時代が来る』
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[Remarks] 読売新聞(2009年12月7日)『BMI 脳科学の最前線<高齢脳>学習能力衰えない心理学からのアプローチ』
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[Remarks] 日本経済新聞(2009年9月27日)『「脳信号で操作」実用へ前進患者の生活支援ロボット連動も』
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[Remarks] 朝日新聞(関西版)(2009年5月4日)『心の働き 実験で解明 老化脳は鍛えられる 京大院・桜井芳雄教授』