2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
伊山 修 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70347532)
伊師 英之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00326068)
宮地 兵衛 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (90362227)
長尾 健太郎 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教 (10585574)
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Keywords | 表現論 / 代数群 / 対称空間 / 指標層 / Springer対応 / exotic nilcone |
Research Abstract |
交付申請書には以下の3項目を研究目的として記載した。 A有限簡約群の指標表の決定 B複素鏡映群に付随したGreen関数とMacdonald関数 C有限体上の対称空間の指標層の理論とその一般化 Aについては、昨年度あまり進展がなかったが、F.Luebeckが今年3月に来日し、名古屋で共同研究を行った。今年度は実質的な研究に取りかかる予定である。昨年度は、Bについての問題は一時棚上げにして、Cの問題について集中的に研究を行った。代表者の庄司が、6月に北京を訪問し、N.Xiとaffine Hecke代数をめぐる問題について討論を行った。また庄司が9月にパリを訪問し、K.Sorlinと共同研究を行った。Sorlinは3月に来日して研究を継続した。その結果、以下のようにかなりの成果が得られた。対称空間GL_2n/Sp_2nの一般化であるExotic symmetric space GL_2n/Sp_2n x Vと加藤によるExotic nilconeの幾何的理論との関係については以前から認識していたが、昨年度の研究で、exotic symmetric space上に指標層の理論を構成し、それによって、加藤理論の主要結果である、exotic nilconeとC型Weyl群の既約表現に関するSpringer対応の別証明を与えることができた。またSpringer対応の具体的な決定も、加藤とは別に、指標層の理論でよく知られた制限定理の類似を証明することにより示すことができた。これらの結果は、従来からの指標層の理論の自然な一般化であり、それ故にexotic symmetric spaceの場合を越えて更に一般な状況に拡張できる可能性もある。また今後さらに指標層の理論を推し進めていくことにより、川中による,(GL_2n(F_q),Sp_2n(F_q))に付随したHecke環の指標理論の、exotic symmetric spaceへの拡張も得られる見通しが出てきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、目標とした3項目の目標のうち、Cの問題について集中的に研究を行い、exotic symmetric spaceに付随した指標層のSpringer対応について満足すべき結果を得た。我々のこの問題に対するアプローチは、非常に自然なものであり、昨年度の研究でこれらの指標層が良い性質を持っていることが分かってきた。またBの問題はCと密接に関連しているので、合わせて今後の研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
Bに固有の問題については、理論の枠組みがはっきりしてきたので、来年度の研究でまとまった結果が得られると思われる。それができると、exotic symmetric spaceに付随した指標層のSpringer対応を複素鏡映群の場合に拡張することが興味深い問題となる。これはある意味でBとCの問題の融合であるが、統一的に議論できる部分も多く、それらを含んだより一般の対称空間に対する理論へと発展できる可能性もある。また今までは標数が2でない場合の対称空間を考えていたが、これを標数2の場合に拡張することが面白い問題である。これについては先行する研究もあるが、我々は、今までのアプローチの延長線上でこの問題を扱う予定である。 Aの問題については、攻略の方針は出来ているので来年度は実行に移したい。
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Research Products
(11 results)