2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 武 神戸大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (00022682)
長谷川 敬三 新潟大学, 人文社会教育科学系, 教授 (00208480)
中川 泰宏 佐賀大学, 工学系研究科, 教授 (90250662)
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Keywords | 複素多様体 / Ricci soliton / 偏極射影代数多様体 / K-安定性 / テスト配位 / 佐々木アインシュタイン計量 / Donaldson-Tian-Yau予想 |
Research Abstract |
「Kaehler-Riccisolitonの幾何」についての話題,および間接的ではあるがそれと深く関連するDonaldson・Tian-Yau予想の存在問題について取り組んだ. (1)ケーラー・アインシュタイン・ファノ多様体上のP1-bundleにおける,坂根-小磯による「ケーラー・アインシュタイン計量の構成法」において,中川泰宏氏との共同研究で,二木障害が消えずにKaehler-Ricci solitonが出現する場合にも佐々木アインシュタイン計重が同時に得られることを証明することに成功したが,この結果の検証が完全に終わりTohoku Math.J.の第65巻に出版予定である. (2)Donaldson-二木不変重を,テスト配位モジュライ空間のコンパクト化にまで拡張し,従来のものよりかなり強い意味のK-安定性の概念を導入した、 (3)偏極射影代数多様体に対する強い意味のK-安定性から漸近的Chow安定性が従うことがほぼ確実で,新田泰文氏と共同で現在検証中である.もしこの結果を仮定するなら,強い意味のK-安定性の仮定の下に,balancedmetricの列の存在が証明され,Donaldson-Tian-Yau予想の存在問題解決への第一歩が得られることになる.同様の議論はその相対版にも適用され,上の結果はDonaldson-Tian-Yau予想の存在問題のextremal Kaehler版に拡張される.つまり強い意味のK-相対安定性から漸近的Chow相対安定性が従うことが予想され,こちらも現在検証中である.もしこの拡張が可能になれば,強い意味のK-相対安定性の仮定の下に多重balancedmetricの列の存在が証明されextremal Kaehler計量の存在問題についての重要な知見を得ることになる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
あらかじめ挙げておいた目標は,検証作業を除いてほぼ達成されている.それ以外にも「Kaehler-Ricci solitonの幾何」と深く関連する「Donaldson-Tian-Yau予想」の存在問題について,ある程度見通しのよい結果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
「Kaehler-Ricci solitonの幾何」の発展形としての「Donaldson-Tian-Yau予想」およびそのextremal Kaehler版についての存在問題に重点的に取り組むつもりであるが,拡張されたDonaldson-二木不変量および強い意味のK-安定性がこの方面では優れた道具であるので,これらを駆使すると計画が非常に円滑に進むことが期待される。
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