2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 康雄 Nagoya University, 理学研究科, 教授 (30135298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 亮治 千葉大学, 理学研究科, 教授 (00209660)
野澤 恵 茨城大学, 理工学研究科, 准教授 (10261736)
河村 晶子 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (30377931)
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Keywords | 電波天文学 / 星間分子雲 / 理論天文学 / 銀河中心 / 磁気浮上ループ |
Research Abstract |
今年度は、ふたつの磁気ループの発見を受けて、銀河系中心部磁気浮上ループの観測結果の解析を継続するとともに、磁気流体力学数値計算によって理論的なモデル作りを進展させた。主な成果を以下にまとめる。 1) 新たにループ3を発見した。これは、ループ1、2同様に負の銀経に存在するが、視線速度は正であり、ループ1、2の負速度と異なる。このループは内部にも分子ガスが存在し、ループのフットポイントも両端に同定されている。その分布の特徴から、浮上途上の比較的年齢の若いループであると示唆した。 2) ループ1、2の「なんてん」による観測結果を詳細に解析し、新たに、両ループにヘリカル構造が見られること、ジェット状成分が見られること等を見いだした(Torii et al. 2009, in preparation)。また、ふたつのループの共通のフットポイントについてMopra 22m鏡、ASTE 10m鏡、NANTEN24m鏡を用いたミリ波サブミリ波観測を実施し、結果を放射輸送計算と比較して密度温度を推定した。 3) 銀河円盤全体を計算領域に含む大局的な3次元磁気流体数値実験を行った結果、銀河ガス円盤表面には、約180個の磁気ループ構造が形成される事、ループ形成位置には片寄りがある事などが判った。銀河ガス円盤の多温度層構造を取り入れた局所的な数値計算では、低温ガス層で形成された磁気ループが高温層では、観測される大きさまで膨張する事、低温ガス層の高密度ガスが浮上ループトップに持ち上げられる事等を明かにした。 4) 局所的な磁気ループの数値計算を精密化し、ループの発生過程を解明した。特に、浮上初期には小型のループが多数形成され、浮上とともに融合して観測されたものと同程度に発展することが確認され、観測結果の解釈に多くの示唆を与えた。
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Research Products
(4 results)