2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244016
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
和田 武彦 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (50312202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 英宏 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30301724)
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Keywords | 光赤外線天文学 / 分子線エピタキシー / 表面活性常温接合 / 赤外線検出器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超高感度遠中間赤外線分光観測を実現するのに必要な、高性能検出器を開発することです。そのために、従来の検出器に比べて飛躍的な性能向上が見込めるゲルマニウムBIB検出器を、分子線エピタキシャル結晶成長(MBE)や「表面活性化常温接合」を用いて開発します。 H21年度は、H20年度に引き続き「MBE結晶成長条件の最適化」を行いました。成長前の基板洗浄条件と成長初期段階の基板温度条件を最適化した結果、毎回、確実にエピタキシャル結晶成長ができるようになりました。るつぼの材質をグラファイトからタングステンにすることで、エピタキシャル結晶中の炭素を大幅に減らすことに成功しました。また、成長速度の最適化を行うことで、常温でのキャリア濃度を減らすことに成功しました。暗電流遮断層を実現するには、全キャリア濃度を10^15/cc以下にする必要がありますが、現在、チャンピオンデータで10^15/ccであり、これを低減かつ安定に達成できるようにすることが、今後の課題です。 加えて、H20年度に作成した「表面活性常温接合」で作成した検出器の評価を行ったところ、BIBモード動作と光応答、そしてカットオフ波長の増大を確認しました。 国内外の研究会に出席しこれらの成果を発表するとともに、最新の研究情報を収集しました。 H22年度は、これらに加え、表面入射型素子を開発し、光感度の向上をはかります。
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