2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244016
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
和田 武彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50312202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 英宏 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30301724)
|
Keywords | 赤外線天文学 / 分子線エピタキシー / 表面活性常温接合 / 赤外線検出器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超高感度遠中間赤外線分光観測を実現するのに必要な、高性能検出器を開発することです。そのために、従来の検出器に比べて飛躍的な性能向上が見込めるゲルマニウムBIB検出器を、分子線エピタキシャル結晶成長(MBE)や「表面活性化常温接合」を用いて開発してきました。H22年度は、H21年度に引き続き「MBE結晶成長条件の最適化」と「表面活性化常温接合を用いた検出器の開発」を行いました。また、MBEを用いた透明電極の作成にもトライしました。 「MBE」に関しては、Ge分子線源の加熱に電子銃を利用することで、ブロッキング層実現に必要な全キャリア濃度を達成しました(チャンピオンデータ5×10^14/cc;室温でのSRA測定結果)。また、成長前に大気中にてUV照射を行い、投入ウエハーの表面を改質することで、エピタキシャル層への炭素のコンタミを効率的に抑制できることを明らかにしました。さらに、Geと同時にAlを照射できるようにすることで、透明電極に必要な急峻な界面を持つ高ドープ層(濃度10^17/cc)のエピタキシャル成長に成功しました。これらにより、表面入射型素子の開発の道筋が立ちました。「表面活性常温接合」に関しては、作成した素子の評価を進め、BIBモード動作と光応答、カットオフ波長の増大、そして暗電流の低減を確認しました。 これらの成果を国際学会IRMMW 2010で発表しました(Wada et al., 2010, doi : 10.1109/ICIMW.2010.5612570)。また、査読つき論文としてまとめて出版しました(Watanabe et al. 2011, JJAP, 50, 015701 ; Kaneda et al. 2011, JJAP accepted for publication)。
|