2011 Fiscal Year Annual Research Report
広視野ガンマ線カメラを用いた気球実験によるMeV領域ガンマ線天体観測の開拓
Project/Area Number |
20244026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
窪 秀利 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40300868)
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Keywords | 天体観測 / MeVガンマ線 / 気球実験 / コンプトンカメラ / ガス検出器 / シンチレータ |
Research Abstract |
本研究は、X線・ガンマ線領域で、天体観測が最も遅れているMeVガンマ線領域を開拓すべく、ガンマ線が検出器中でコンプトン散乱した際の反跳電子の3次元飛跡を測定する新しい検出原理に基づいた、高感度広視野のコンプトン散乱型ガンマ線カメラを用いた気球実験を推進することを目的とする。平成23-24年度に、以下の成果を得た。(1)これまで、ガス検出器からの立上り信号のみを取得していたが、立下り信号も取得できるようにリアルタイム位置演算回路を改良し、各信号ストリップからの電荷量の算出が可能となった。(2)KEKと共同で開発した低消費電力ガス検出器信号処理ASICからのデジタルデータを一時記録する回路を増設し、連続的に記録できるようにし、データ収集効率を向上させた。(3)これまで、ガス検出器のアノード信号とカソード信号をリアルタイムでコインシデンスを取り、データ取得していたが、読み出し回路の改良を行い、アノード信号とカソード信号のヒット情報を独立に読み出す方式に変更し、オフライン解析で、飛跡を再構成することで、飛跡点の取りこぼしが減ったため、飛跡の測定精度が上がり、ガンマ線の検出効率が一桁向上した。(4)気球搭載の電池から、検出器および気球装置インターフェース回路に必要な多様な電圧を生成するための電圧変換回路を作成した。検出器の大型化により、信号数は、前回の2006年の気球実験で使用した検出器の3倍であるが、消費電力は、検出器の低消費電力化により、同程度となった。(5)気球搭載時と同じように、コンプトンカメラを耐圧容器に入れ、低温低圧の環境試験を行った結果、予想よりも低温となり、対策が必要であることが分かった。(6)海外での次期気球実験で予想される、天体ガンマ線およびバックグランドのエネルギースペクトルのシミュレーションを行い、観測計画を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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