2008 Fiscal Year Annual Research Report
隠されていた核相互作用の研究(中性子過剰物質とテンソル力)
Project/Area Number |
20244030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷畑 勇夫 Osaka University, 核物理研究センター, 教授 (10089873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊雄 東北大学, 理学研究科, 教授 (30186754)
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Keywords | テンソルカ / 不安定核ビーム / 核物質状態方程式 / 固体水素標的 / 不安定核の核子軌道 |
Research Abstract |
本研究課題は、核物理センターの加速器施設(RCNP)の特徴を十分生かし、また理論グループとも強く協力し、「原子核及び核物質の中での隠された相互作用」という研究を中心テーマとして進めている。特にテンソル力の効果を明らかにすることを大きな目的としている。実験の目標は、 (1)中性子過剰物質の状態方程式の研究,(2)テンソル力で作られる高い運動量を持った核内核子の探査、(3)核内の核子軌道の系統的な変化の研究、である。 これらの実験はRCNPだけではなく、ドイツのGSI研究所[(1)の研究]、カナダのTRIUMF研究所[(3)の研究の一部]での実験も含んだいて,世界中の加速器施設の中から目的に最も適した施設を利用するように計画した。 (1)については実験装置が完成し、今年度中に装置をGSI研究所に輸送する準備がすんだ。実験は来年度に計画されている。(2)の実験については、プロポーザル(Search for Direct Evidence of Tensor Interactions: High Momentum Component in Nuclei")を課題採択委員会に提出しE314として採択された。現実験装置に加え本実験用の検出器も完成し、2009年4月に初めてのマシンタイムが予定されているので、近々データが収集できる予定である。(3)の実験についてはシリコン検出器群と固体水素標的を作成する予定であるが、本年度は検出器チャンバー及び信号用回路を設計し,2009年2月に完成した。今後検出器と回路を組み合わせたテストを行う。また、全エネルギー検出用のCsl(T1)を中国の現代科学研究所との共同研究により完成させた。固体水素標的はその基本設計を行い、来年度に予定されている製作過程への準備ができた。また、本研究に必要な不安定核ビームを供給するRCNPのENコースのテストを行い^<10>Beビームが予定どおり得られた。
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