2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代干渉計技術によるTAMA300重力波検出器の高感度化
Project/Area Number |
20244034
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
藤本 眞克 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (90107475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 竜太郎 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (60270451)
辰巳 大輔 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (70333276)
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 / 宇宙物理 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究では日本の重力波望遠鏡(LCGT)で使用予定の次世代干渉計方式「Resonant Sideband Extraction (RSE)」を開発することにより、1 kHz以上の周波数帯域で重力波に対する感度向上を目指していたが、LCGT計画が当初の予定と違った3年間の研究計画として始まったため、その設計に研究の主眼を変更した。 3年目の研究内容としては、以下の項目を中心に開発研究を行った。(1)建設予定の次世代LCGTでのRSE干渉計におけるアライメント制御の問題の洗い出しと検討を行ったところ、共振器設計を再検討する必要があることが分かった。そこでレンズ系を共振器内に設置することで共振器の不安定性という問題が解決できるか検討を行った。結果として、レンズ曲率の製作精度を1%以下とし、且つレンズ間距離をミリ単位で調整すれば共振器不安定性を回避でき、且つアライメント制御も可能となる設計を示した。これを受けてLCGT検出器の設計に上記変更を施すことが決定された。(2)RSE技術による感度向上と言っても、以下に挙げる2つの相反する設計方針を取りうる。1つは最高感度では劣るものの50-300Hz帯域で広く感度が向上する設計、もう1つは100Hz付近で最高感度を追求する設計である。後者は一番有力な重力波源とされる中性子連星合体からの重力波探査に特化した設計を採用することで"世界初の重力波検出"の可能性を高めることが出来る。一方でその他の重力波信号に対して感度を損なうデメリットを持つ。そこで干渉計を構成する鏡の位置を大きく変更せずとも、上記2つの干渉計設計が実現可能な構成について技術検討を行った。その結果を研究グループ外部の審査委員会に提案し、"帯域可変型RSE構成"を採用することが決まった。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Thermal-noise-limited underground interferometer CLIO2010
Author(s)
K.Agatsuma, K.Arai, M.-K.Fujimoto, S.Kawamura, K.Kuroda, O.Miyakawa, S.Miyoki, M.Ohashi, T.Suzuki, R.Takahashi, D.Tatsumi, S.Telada, T.Uchiyama, K.Yamamoto, CLIO collaborators
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Journal Title
Class.Quantum Grav.
Volume: 27
Pages: 84022
Peer Reviewed
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