2011 Fiscal Year Annual Research Report
高強度パルスビームによる星の中での12C(alpha,gamma)断面積測定
Project/Area Number |
20244036
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
宮武 宇也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50190799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 博恒 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50321534)
渡辺 裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50353363)
牧井 宏之 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (20425573)
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Keywords | 元素合成 / 天体核物理 / 加速器ビームハンドリング / 原子核物理 |
Research Abstract |
昨年度行った12C(alpha,gamma)160断面積測定の本測定の解析結果を国際シンポジウムにて報告し、出版した。Ecm=2,1MeVでのデータからは、測定したγ線の角度分布より導出したE2/E1成分比がやく0.1程度であることが導かれ、様々な理論予測を選択して、Ecm;300keVでの外挿値が絞られることを明らかに出来た。これにより、星の中での重元素合成についての定量的な扱いが一歩前進したことになる。 本測定に用いることができた新たな概念によるビームパルス装置については、本論文をRhysical Review Special Topicsから出版した。コンパクトで経済的なこの手法を用いれば、比較的狭い場所へのバンチャー、チョッパーの組込みにより高強度のパルス化された重イオンビームを実現することができる。 本研究の今後の展開のためには、高純度12C標的の開発が必須となるが、これについてはこれまでの開発結果を論文として発表するとともに、専用のクッラキング法による標的製作装置を完成させることができた。 天体における元素合成研究の進展を目指して装置の開発・設置が進んでいるKISS(KEK Isotope Separation System)プロジェクトについては、多核子移行反応により生成された金・白金元素の起源となる短寿命核中性子過剰な原子核をイオン化するためのレーザー装置の整備、およびイオン化されて引き出されたこれらの原子核を質量分離したのち測定エリアまで輸送するKISS本体の設計概念、組込状況などについて、理化学研究所・仁科センターの研究紀要(2011年度)等をはじめ、様々な報告書に適宜発表して来た。この研究は、2011年度に発足させた仁科センターとKEK素核研との研究連携協定により進められているが、その発足記念式典を10月に行い、プロジェクトの概要等について、両組織の関係者向けに紹介を行った。
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Research Products
(10 results)