2010 Fiscal Year Annual Research Report
フレーバー物理によるTeV領域の新しい素粒子像の探求
Project/Area Number |
20244037
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岡田 安弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 純治 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (60300670)
田中 実 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70273729)
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Keywords | フレーバー物理 / 素粒子 / TeV領域 / Bファクトリー / レプトンフレーバーの破れ / タウ粒子 / B中間子 |
Research Abstract |
フレーバー物理を中心にして次のような課題について理論研究を進め、TeV領域の素粒子模型を探る可能性を検討した。 1.複合ヒッグス模型の一種であるリトルヒッグス模型におけるレプトンフレーバーの破れの過程の分岐比を計算し、偏極したタウ粒子の稀崩壊の情報が模型の区別に役立つことを指摘した。 2.超対称模型に現れる荷電ヒッグス粒子に関して、LHC実験の直接探索とBファクトリー実験で観測できるB中間子のタウ粒子を終状態に含む崩壊過程への間接的な効果を組み合わせることにより、荷電ヒッグス結合に特徴的な関係を検証できることを示した。 3.B中間子のセミタウオニック崩壊で生じたタウ粒子の偏極をスーパーBファクトリーで精度良く測れることを示し、崩壊分岐比とタウ粒子の偏極の相関が様々な新しい物理の候補を区別する際に有用であることを明かにした。 4.超対称標準模型のフレーバーの物理において重要なパラメータであるtanβの大きさに対して、真空の安定性から新たな制限を与えた。 5.ヒッグス粒子の自己相互作用の測定、余分なクォークの探索、ヒッグス粒子が暗黒物質となるような余剰次元模型について現象的な研究を展開し、TeV領域の物理の探索可能性を検討した。 6.Bファクトリー物理に関する勉強会、研究会、ワークショップを開催し、関連する理論家および実験家とSuper KEKBで展開される物理を検討した。
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Research Products
(14 results)