2009 Fiscal Year Annual Research Report
時間反転不変性の破れ探索実験用高精度ミュオン偏極度測定装置の開発
Project/Area Number |
20244040
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
今里 純 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (40107686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 洋一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50311121)
林 ケヨブ 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90332113)
清水 俊 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60294146)
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Keywords | 素粒子物理学 / J-PARC TREK実験 / 時間反転不変改破れ / K中間子崩壊 / ミュオン横偏極 / 偏極度計 / ドリフトチェンバー / 高対称性電磁石 |
Research Abstract |
(1)ポラリメターチェンバー実物大モデル(FSM)の製作:J-PARC TREK実験でミュオン偏極の精密測定は、ミュオンストッパーとドリフトチェンバーが一体化された所謂アクティブポラリメターによって行う。昨年度ビームテストを行った「1/5プロトタイプ」の性能評価に基づき、TREK実験で使われるのと同じ大きさの実物大モデルを製作した。24枚のアリミ板(2.5mm厚)ミュオンストッパーと25層の間隙ドリフトチェンバーからなり、約68cm×28cm×30cmの外形寸法を持つ。センスワイヤーの数は約500本となった。電荷分割による読み出し等、基本的な仕様は1/5モデルを倣った。 (2)FSMのビーム試験:このFSMチェンバーのビーム試験を、カナダTRIUMF研究所のパイオン及びミュオンビームを用いて実施した。これらのビーム(170MeV/c)をストッパーに止め、崩壊陽電子を観測することを行った。まず、今回新たに製作した読み出しASBを用いて、チェンバーとしての基本動作の確認が行われた。パイオンビームは偏極を待たない。今回、この性質を利用して、チェンバーが陽電子放出の擬似的な非対称度を持たないことの検証を行った。更に偏極したミュオンビームを用いて、このチェンバーのアナライジングパワー、すなわちミュオン偏極度への感度の決定を行った。これらの測定結果に基づき、TREK実験ミュオンポラリメータの実機設計・製作へと進むことになる。 (3)ミュオン磁場電磁石の磁場測定:昨年度製作したミュオン電磁石の磁場測定を、実際に近い磁場強度で実施した。解析により磁場分布の対称性に関しての知見を得た。また、TREK実機電磁石設計・製作に向けての、必要改良点の洗い出しを行った。
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Research Products
(3 results)