2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244042
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虻川 匡司 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (20241581)
|
Keywords | 電子回折 / RHEED / 超高速現象 / 表面構造 |
Research Abstract |
表面構造解析法である反射高速電子回折法(RHEED)と超高速現象を捉えるストリークカメラとを融合することで、表面構造の超高速ダイナミクスを直接捉えることのできる新しい超高速表面構造解析法、すなわちストリーク反射高速電子回折法(ストリークRHEED)の開発を行うことが本研究の目的である。これは本研究者らが開発したワイゼンベルグRHEED法において、試料結晶と蛍光面の間にスリットを置いてRHEED回折パターンを1次元的に切り出し、スリットの後にストリーク掃引電極を置くことで蛍光面垂直方向に時間軸を投影する新たな手法である。初年度に装置を組上げ、2年度に装置の調整を行い、最終年度に本超高速電子回折法を用いて表面の構造変化に関する観測を行うというのが当初の計画である。本年度は、ほぼ計画通りに研究を進展させることが出来た。具体的には、まず実験真空槽ならびに本手法の心臓部であるストリークユニットの設計製作を行った。ストリークユニットは、電子軌道シミュレーションを行って最適な形状に作成できたと考えている。また、そのストリークユニットを駆動するストリーク管用ドライブシステムを特注し購入した。同時に、表面構造の変位を誘起するためのナノ秒パルスレーザーを購入して、ポンプレーザーシステムを構築した。以上のように装置を構成するほぼ全ての部品が準備できた。それらの部品を組み合わせる作業の進捗状態も8割程度と進んでおり、間もなく真空引きテスト等を行う予定である。次年度は、予定通りストリークユニット等の調整を行い、超高速電子回折法の実現を目指す。
|