2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虻川 匡司 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (20241581)
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Keywords | 電子回折 / RHEED / 超高速現象 / 表面構造 |
Research Abstract |
表面構造解析法である反射高速電子回折法(RHEED)と超高速現象を捉えるストリークカメラとを融合することで、表面構造の超高速ダイナミクスを直接捉えることのできる新しい超高速表面構造解析法、すなわちストリーク反射高速電子回折法(ストリークRHEED)の開発を行うことが本研究の目的である。これは本研究者らが開発したワイゼンベルグRHEED法において、試料結晶と蛍光面の間にスリットを置いてRHEED回折パターンを1次元的に切り出し、スリットの後にストリーク掃引電極を置くことで蛍光面垂直方向に時間軸を投影する新たな手法である。本年度は、初年度に組上げた装置の調整を行い、最終年度に行う超高速電子回折実験の準備を行うというのが当初の計画であった。組上げた装置の真空排気を行ったが、予定通り10^<-8>Pa台の超高真空を達成する事が出来た。また、超高真空下の実験では、RHEED電子銃の動作試験を行った。また、ストリーク掃引電極への電圧印可試験も行い、ストリークコントロール電源が仕様通りの性能を有する事を確認した。実際に超高真空中でストリークユニットに電子線を入射し、電子ビームの掃引実験を行った。こちらの結果も、電子軌道シミュレーションで予想されたものとほぼ同じ結果が得られた。したがって、これまでのところ製作中のストリークRHEED装置の性能は、設計通りであり、最終年度には予定通り超高速電子回折実験が行えるものと考えている。
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