2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虻川 匡司 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20241581)
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Keywords | 電子回折 / RHEED / 超高速現象 / 表面化学 / 表面物理 / 表面構造 |
Research Abstract |
表面構造解析法である反射高速電子回折法(RHEED)と超高速現象を捉えるストリークカメラとを融合することで、表面構造の超高速ダイナミクスを直接捉えることのできる新しい超高速表面構造解析法、すなわちストリーク反射高速電子回折法(ストリークRHEED)の開発を行うことが本研究の目的である。この手法は本研究者らが開発したワイゼンベルグRHEED法において、試料結晶と蛍光面の間にスリットを置いてRHEED回折パターンを1次元的に切り出し、スリットの後にストリーク掃引電極を置くことで蛍光面垂直方向に時間軸を投影する新たな手法である。最終年度は、昨年度までに作り上げて調整を行って来たストリークRHEED装置を用いて、時間分解電子回折実験を行い手法の有効性を実証するというのが目的である。実験を進める過程で、スリットに塗った蛍光剤による帯電、電子銃からの浮遊電子、レーザー光のスクリーンへの回り込みなど,様々な問題点が明らかになったが、いずれも解決の手だてを見いだし、予定通り時間分解電子回折実験を行うことができた。ナノ秒のパルスレーザーを入射したときのSi(111)7x7表面の構造変化を時間分解能1μ秒で観測することができた。将来フェムト秒レーザーと組み合わせる事でサブピコ秒の時間分解能をもつ超高速電子回折法であることを実証することができた。
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