2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244058
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鄭 国慶 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50231444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 佳彦 岡山大学, 教育学部, 准教授 (80273572)
川崎 慎司 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (80397645)
市岡 優典 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90304295)
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Keywords | 空間反転対称性の破れ / 超伝導状態 / スピン三重項超伝導 / 各磁器共鳴 |
Research Abstract |
本研究は、結晶の空間反転対称性の破れが生み出す新奇な超伝導の物理を物質合成と核磁気共鳴(NMR)を中心とする測定法により実験的に解明し、さらに理論的に数値解析やモデル化を行うことによってこの分野の体系化を目指すものである。 H21年度は空間反転対称性の破れた超伝導体Li2 (Pt1-xPdx)3Bの作製、評価及びNMR測定を行った。また、空間反転対称性の破れた超伝導体Mg-Ir-B系やRe7B3においてもNMR測定を行った。 Li2 (Pt1-xPdx)3Bについては、アーク溶解法によって2段階溶解プロセスをとり、均一性の高い試料の作製に成功し、全組成領域に渡って高品質の試料を得た。NMR測定は7Li核、11B核及び195Pt核について行い、ナイトシフトとスピン格子緩和時間の測定を行った。これらの物理量の温度依存性と組成依存性から、スピン軌道相互作用の変化およびそれに伴った超伝導状態の変遷を明らかにした。 また、Mg-Ir-B系において、11B-NMRを用いて、ナイトシフトとスピン格子緩和時間の測定を行った。その結果、Ir欠陥を導入することによってスピン軌道相互作用を制御できることを発見した。また、スピン軌道相互作用の変化に呼応してスピン三重項の成分が変化することを見出した。 さらに、空間反転対称性の破れた超伝導体Re7B3の物性をNMR法によって調べ、電子対(クーパー対)の対称性を決定した。
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