2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244065
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
BULANOV Sergei Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (00391318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神門 正城 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (50343942)
ESIRKEPOV Timur 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (10370363)
PIROZHKOV Alexander 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究職 (00446410)
河内 哲哉 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究主幹 (40343941)
桐山 博光 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (40354972)
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Keywords | 高強度レーザー / レーザープラズマ相互作用 / 非線形ラングミュア波 / アト秒X線 / 水の窓X線 / 周波数上昇 / 高次高調波 |
Research Abstract |
昨年度実施した正面衝突型飛翔鏡実験の3次元粒子シミュレーションを実施し、衝突点の位置の再現と飛翔鏡によりレーザー光が反射されることを示した。これは前年度得られた解析モデルとよく一致した。加えて、反射過程がコヒーレントであるので、波が破壊した際の構造を反映した反射光の空間構造が出来ることを示した。これは波の破壊を観測する道具として使える可能性がある。これらの結果は、実験結果と共に論文に出版された[M. Kando et al., Phys. Rev. Lett.]。 実験研究では、当初想定していなかった高次高調波の生成が観測された。これは、相対論的レーザー強度(6.5x10^18W/cm^2)にてヘリウムガス(完全電離密度(2-7)x10^19cm^-3)に照射されたときに観測された。この高次高調波は、偶数次と奇数次の高調波を含み、最大126次までは高調波として分離ができ、分光器の限界により分解できない連続成分は200eVから320eV程度までと水の窓領域のX線生成が達成された。これらは、いわゆる原子の高次高調波やプラズマ電子が関連する非線形トムソン散乱、電子が航跡波で蛇行することによるベータトロン放射などの発生機構では説明できないものであった。今回、我々は、次のようなモデルを考案した。まず、高強度レーザーがプラズマ中での自己集束により、強度が高まり、レーザー側方に舳先波(bow wave)を作り、後方にはバブル壁(bubble wall)が作られる。これらが交わる部分には局所的にスパイク状の電子分布ができる。この現象は粒子シミュレーションでも、カタストロフィー理論でも説明できる。このスパイク状分布とレーザー場が協同的に働くことにより、協同的シンクロトロンまたは非線形的トムソン散乱が起きて発生するというものである。これは全く新しいモデルであり、新しいX線発生機構となるものである(論文投稿準備中)。
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Research Products
(39 results)