Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 三郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究副主任 (90359175)
小栗 一将 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主任 (10359177)
飯島 耕一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主事 (00392944)
高橋 孝三 九州大学, 理学(系)研究科, 准教授 (30244875)
池原 実 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 准教授 (90335919)
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Research Abstract |
本研究の目的は,光ルミネッセンス年代測定法(Optically Stimulated Lumnescence;以下OSL)を,炭酸塩に乏しい極域寒冷圏の海底堆積物コアに適用し,広域に対比可能な年代層序を行い,時間分可能の高い古海洋変動を明らかにすることである。目的到達のために,(1)OSLラボの立ち上げ,(2)これまでに得られた試料のOSL年代測定の実施,(3)古海洋プロクシの分析を行なった。 (1)ラボの立ち上げに際し、国立Riso研究所(Denmark)製光ルミネッセンス年代測定装置を購入する計画であったが,装置および放射線線源の契約・購入・輸入にほぼ1年必要であることがわかったため,首都大学東京に設置済みの同装置を海洋研究開発機構へ移設・稼働し,データ取得などを開始した.平成21年3月末には,本科研費で新たに購入したOSL年代測定装置の設置を行ない,測定装置2台体制のラボを完成させた.(2)これまでに得られた試料のOSL年代測定は,MR06-04航海で得られた、オホーツク海南西・中央部の試料を用いてその有効性を試した。オホーツク海南西部において25,000年前まで、オホーツク海中央部においては最終間氷期に相当する130,000年前までの年代軸の構築に成功し,成果を国内外学会など出公表し,論文を投稿,受理された.結果は,炭素放射性年代、酸素同位体比層序の年代とも整合的であり、他の海域への適応も期待できることを確認した。(3)古海洋プロクシの分析は、同コアについて,酸素同位体比層序を高解像度で行ない、OSL年代と合わせて数千年単位での古環境復元を実現できる兆しが見えた。
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