2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20244086
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 徹 Ehime University, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (00291500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 宣正 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (10452682)
大藤 弘明 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (80403864)
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Keywords | 地球深部 / 高温高圧実験 / 揮発性成分 / 水 / 二酸化炭素 / マグマ / 流体 / 放射光実験 |
Research Abstract |
水及び二酸化炭素は地球の重要な揮発性成分の1つであり、その地球深部での存在は鉱物の物性に多大な影響を及ぼしている。本研究では、これら揮発性成分の地球深部での影響を高温高圧実験から明らかにし、「地球内部での水及び二酸化炭素の挙動とその分布」を明らかにすることを目的としている。そして「これらの揮発成分を考慮した地球内部像」を構築することを目的としている。 本年度は特に、マントル鉱物間における水の分配に集中的に取り組んだ。上部マントルから下部マントルに渡る条件下で、モデルマントル組成に水を加えた系で実験を行い、特に、相転移境界での共存相から水の分配を明らかにした。この研究成果については、現在論文執筆中である。さらに、高圧発生装置と放射光X線を組み合わせた各種実験を行い、鉱物の状態方程式を明らかにする実験を行った。これに加えて高圧発生装置と放射光X線、超音波音速測定を組み合わせたシステムにより、高温高圧下での弾性波速度測定実験をマントルの高圧相鉱物で行った。これらの実験はまだ揮発性成分を含んだ系まで拡張できていないが、来年度以降は逐次拡張していく。 さらにダイヤモンドカプセルによる高温高圧下での揮発性成分封入法の確立により、放射光X線その場観察によって、1)脱水分解反応のカイネティクスの研究や、2)含水マグマの構造決定の研究に成功した。今後はこれらのテクニックを駆使して、地球深部での流体の挙動について明らかにしていく予定である。
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