2010 Fiscal Year Annual Research Report
半実験的逆解析手法に基づいた高エネルギー密度プラズマの科学
Project/Area Number |
20244090
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10126328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 徹 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (10370214)
中島 充夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (30198098)
川田 重夫 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30150296)
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Keywords | 高エネルギー密度プラズマ / 状態方程式 / 導電率 / パルスパワ / 荷電粒子ビーム / 重イオン核融合 / 高速プラズマ流 / 衝撃波 |
Research Abstract |
本研究の目的は高速の電磁パルスや重イオンビームを用いて高エネルギー密度プラズマを形成し,半実験的・逆解析手法によって極限状態のプラズマの状態方程式や輸送係数を明らかにすることである。当該年度に得られた成果は以下のとおりである。 前年度に立ち上げたパルスパワー装置を用いて,準剛体キャピラリーに閉じ込めた高密度プラズマの導電率を幅広い密度領域に渡って計測した。また,プラズマへ投入されたエネルギーの測定精度を改善するために分光システムを構築した。これらの装置を用いて,密度をパラメータに高密度プラズマの内部エネルギー密度と温度の相関を計測した結果,Warm Dense Matterと呼ばれる領域にある物質の比熱は強い温度依存性を持つことを明らかになった。 粒子ビームを用いた高エネルギー密度状態形成にはビームの縦方向圧縮技術が不可欠である。小型の電子線誘導加速器を用いて,高強度の荷電粒子ビームの制御や縦方向圧縮に伴うエミッタンス増大について検討し,ビームパルスの縦方向圧縮に影響する因子を明らかにするとともに縦方向圧縮に伴う粒子ビームの散逸過程を実験的に検討する指針が得られた。 電磁パルス発生装置を用いた高密度の高速プラズマ流を発生する方法を提案し,電磁パルスによって形成される高速のプラズマ流は,初期密度,電流波形,に加えてピンチ・プラズマの形状に強い依存性を持つことを明らかにした。また,高密度化・高速化への指針が得られた。 なお,以上の得られた結果は日本物理学会,電気学会・パルスパワー研究会,重イオン核融合国際会議など,国内外の研究会で発表を行った。
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