2008 Fiscal Year Annual Research Report
光と電場による反応制御と新奇外場応答機能物性の発現
Project/Area Number |
20245001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 信廣 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (70113529)
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Keywords | 光反応ダイナミクス / 光機能物性 / 電場効果 / 超伝導 / 光誘起相転移 |
Research Abstract |
光励起に伴って起こる分子の種々のダイナミクスは励起状態における分子の電子構造や準位構造に密接に関係するだけではなく、分子集合体が示す機能物性も、個々の分子の構造や光励起ダイナミクスと強い相関があると推測される。これら「構造」と「ダイナミクス」と「機能物性」の相関およびその光照射効果を調べるために、申請者は、『光と電場を外場として作用させる実験を行ってきた。すなわち、各状態の電気双極子モーメントや分子分極率といった物理量に依存して、電場による準位のシフトや電子雲のひずみが起こる結果として電子励起状態ダイナミクスへの電場効果が期待される。そこで光誘起電子移動反応を示す多くの電子供与体と電子受容体の組み合わせに関して、発光の強度や寿命を観測することにより、光化学反応が電場によりどのような変化を示すかを調べた。また、電場と同時に磁場も作用させた時の相乗効果も調べた。さらに励起ダイナミクスへの電場効果が機能物性にどのような変化をもたらすかを明らかにするために、有機電荷移動錯体であり種々の結晶構造を有する(BEDT-TTF)_2I_3結晶の電気伝導度の光照射効果、高いイオン伝導度を示すヨウ化銀の伝導特性に対する光照射効果を調べた。その結果、どちらも電気伝導度が大きな光励起効果を示すこと、さらには光と電場を同時に作用した場合には、特異的な現象が見られることを明らかにした。
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Research Products
(18 results)