2009 Fiscal Year Annual Research Report
光と電場による反応制御と新奇外場応答機能物性の発現
Project/Area Number |
20245001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 信廣 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (70113529)
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Keywords | 光反応ダイナミクス / 光機能物性 / 電場効果 / 超伝導 / 光誘起相転移 / イオン伝導 |
Research Abstract |
常温で金属の性質を示す有機電荷移動錯体、およびイオン伝導体としてよく知られるヨウ化銀(AgI)の電気伝導度の光照射効果を詳細に調べた。前者に関しては、BEDT-TTFを電子供与体とする物質が主であり、温度を変化させた時に金属と絶縁体の相転移を示す・-(BEDT-TTF)_2I_3および低温で超伝導特性を示す・・(BEDT-TTF)_2[Cu(CN)_2]Br(・-Br)を中心に調べた。パルスレーザーにより可視光を照射し、それと同期した光電流の時間変化を私たちが独自に開発した装置を用いて精密に測定し、電気伝導度への光励起効果を調べた。後者に関しては、固体AgIのペレットを作成し、同じ表面上に一定の間隔を有するカーボン電極を付け、電極間に交流電圧を印加し、LCRメーターを用いたインピーダンス分光法を適用することにより、光照射に伴う電気伝導度の変化を調べた。その結果・-(BEDT-TTF)_2I_3では低温における絶縁相が光照射により金属へと変化すること、加えるパルス電場の大きさとパルス幅を制御することによりこの電気伝導度への光照射効果を制御できることを示した。また・-Brでは超伝導特性を示す温度を中心にその前後の温度で電気伝導度がそのような光照射効果を示すかを調べている。またAgIの場合は、複数の相が存在するが最も安定な・相においては光照射によりイオン伝導度が増加すること、しかも照射光の励起波長によりその光照射効果に顕著な違いが見られること、励起波長を交互に変えて光照射することによりイオン伝導度のスイッチング現象が見られることを示した。さらに光だけではなく、電場印加によってもイオン伝導度の変化を誘発することができることを見つけた。
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Research Products
(16 results)