2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245006
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤阪 健 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60089810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 敬広 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (10375412)
生沼 みどり 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20323256)
|
Keywords | フラーレン / 化学修飾 / 集積化 / FET |
Research Abstract |
次世代を切り拓く革新的な電子・光・磁気機能を有する物質の創出を図るため、本研究では磁性内包フラーレンに着目し、その分子変換による構造および電子特性の制御を行う。さらに、得られた常磁性内包フラーレン誘導体の組織化を行い、革新的バルク機能を有する材料の創製を目的とする。適切な官能基を思い通りに付加させることができれば、金属内包フラーレンの材料科学への応用に対する重要な足掛かりになると考えられる。 前年に引き続き、常磁性内包フラーレン(1)La@C_<82>,(2)Ce@C_<82>,(3)Ce_2@C_<80>の大量合成をアーク放電によって集中的に行った。合成した常磁性内包フラーレンはHPLCにより分離精製した。 合成したそれぞれの常磁性内包フラーレンについて、光ケイ素化反応、1,3-双極子環化付加反応およびカルベン付加反応を用いた機能性置換基の導入を検討した。申請者らはすでに求電子的なカルベンがLa@C_<82>へ位置選択的に付加することを見いだしていたが、Ce@C_<82>へも同様に位置選択的にカルベン付加することが分かった。付加位置選択性は、炭素ケージの電子状態とπ電子系曲面の歪みが重要であることが明確となった。C_<80>ケージを有するCe_2@C_<80>への各種反応においても選択的に置換基の導入ができ、X線結晶構造解析による誘導体の構造決定にも成功した。これら得られた知見により、金属内包フラーレンの反応性の予測ができ効率良くフラーレンを誘導体化することが可能となりつつあり、材料創製のために大きな進展となることが期待できる。
|
Research Products
(41 results)