2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 敏材 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)
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Keywords | 有機カチオン / 有機ラジカル / 有機アニオン / レドックス / 活性種 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有機活性種を、レドックス反応を用いて異種有機活性種に変換するとともに、それらを組み合わせた新規な反応系を構築し、有機活性種化学の深化をはかることである。本年度は、有機カチオンから出発するアプローチとしては、インダイレクトカチオンプール法を確立するとともに、ダイレクトカチオンプールによるデンドリマー状カチオンのプールの調製およびそのレドックス分子変換を行った。すなわち、ジアリールメタンを電解酸化することにより、ジアリールカルベニウムイオンプールを生成させ、これにケイ素置換ジアリールメタンを反応させ一つのケイ素置換ジアリールメタンに二つのカチオンが付加した生成物を得た。この生成物をさらに電解酸化することにより、次世代ジアリールカルベニウムイオンを発生させ、これをケイ素置換ジアリールメタンと反応させることができた。この変換を繰り返すことによりデンドリマー状ジアリールカルベニウムイオンを調製し、それを電解還元カップリングさせることに成功した。一電子還元により有機ラジカル中間体が生成し、それがホモカップリングしたものと推定される。この成果は分子量が大きく立体的にも嵩高い活性種に対してもレドック分子変換が十分可能であることを示すものとして意義深い。また、有機アニオンから出発するアプローチとしては、マイクロフロー系を利用した不安定アニオン種の発生法を開発した。たとえば、エポキシドを脱プロトン化してオキシラニルアニオンを発生させ、それを分解させることなく求電子剤で補足することに成功した。マイクロフロー系の高速熱移動による温度制御と滞留時間を短く制御できることが主な要因と考えられる。次年度にこのような不安定アニオン種に対してレドックス分子変換を検討する予定である。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] An Electroinitiated Cation Chain Reaction : Intramolecular Carbon-Carbon Bond Formation between2008
Author(s)
Matsumoto, K., Fujie, S., Ueoka, K., Suga, S., Yoshida, J.
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Journal Title
Angew. Chem., Int. Ed. 47
Pages: 2506-2508
Peer Reviewed
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[Journal Article] Iterative Molecular Assembly Based on the Cation Pool Method. Convergent Synthesis of Dendritic Molecules.2008
Author(s)
Nokami, T., Ohata, K., Inoue, M., Tsuyama, H., Shibuya, A., Soga
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc. 130
Pages: 10864-10865
Peer Reviewed
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