2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 敏材 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)
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Keywords | 有機カチオン / 有機ラジカル / 有機アニオン / レドックス / 活性種 |
Research Abstract |
本研究の目的は、レドックス反応を用いて有機活性種を異種有機活性種に変換するとともに、それらを組み合わせた新規な反応系を構築し、有機活性種化学の深化をはかることである。本年度は、有機カチオンから出発するアプローチとしては、昨年度より継続してデンドリマー状カチオンのプールの調製およびそのレドックス分子変換を検討した。また、カチオン発生の方法として、直接電解酸化ではなく、電解酸化で発生させた活性種を用いる方法(インダイレクトカチオンプール法)についても検討を行った。すなわち、ArSSArを低温電解酸化して得られるArS(ArSSAr)+をオレフィンと反応させエピスルホニウムイオンを調製した。このカチオン種は、これにArSSArが反応して環が開いてできるスルホニウムイオンと平衡状態にあることを、種々の検討から明らかにした。また、種々の求核剤をと反応させることにより、ArSと求核剤とがオレフィンに付加した生成物や、2つのArSがオレフィンに付加した生成物が得られ、生成物からもカチオン種中間体の存在を確認した。これらの成果を基盤にして、非共役ジエンとArSSArに対して触媒量のArS+を作用させることにより環化反応が起こり、この反応がカチオン連鎖機構で進行することも明らかにした。 さらに、糖トリフラートに対してスルフィドを作用させることにより、スルホニウムイオンが生成する反応および、スルホニウムイオンがメタノールなどの求核剤と反応する過程についても、NMRを用いて詳細に解析を行った。 今後は、このようなカチオン種に対してレドックス変換を行う計画である。また、有機アニオン種に対しても、フローマイクロリアクターを用いた生成反応の検討を引き続き行い基礎データを得たので、最終年度でレドックス変換を行う計画である。
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Research Products
(21 results)