2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 潤一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 敏材 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)
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Keywords | 有機カチ / 有機ラジカル / 有機アニオン / レドックス / 活性種 |
Research Abstract |
本研究の目的は、レドックス反応を用いて有機活性種を異種有機活性種に変換するとともに、それらを組み合わせた新規な反応系を構築し、有機活性種化学の深化をはかることである。昨年度までは、主に有機カチオンの調製およびそれらのレドックス分子変換を検討してきた。本年度は有機アニオンの調製およびそれらのレドックス分子変換を検討した。アニオンプールの利用が困難であることが明らかとなったので、アニオンフロー法を用いた。具体的には、不安定アリールリチウム種の発生とそれらの塩化鉄(III)による参加を用いたラジカル種の発生とホモカップリングをフローマイクロリアクター中で行った。 まず、フローマイクロリアクターシステムを用いてp-ブロモアニソールのハロゲン-リチウム交換反応によりp-メトキシフェニルリチウム種を発生させ、続いて塩化鉄(III)を作用させることによりホモカップリング反応が効率的に起こるのか検討を行った。反応温度を-78~24℃の範囲で、ホモカップリング反応のためのリアクターR2の滞留時間を0.12~7.0sの範囲で変化させ反応を行ったところ、広い温度時間領域において良好な収率で目的生成物が得られることが明らかとなった。この結果は、より不安定で反応制御により低温条件を必要とするアリールリチウム種でも本反応系に適応できることを示唆する。そこで、ニトロ基やシアノ基を有する様々な不安定アリールリチウム種を用いて本反応の検討を行ったところ、いずれの場合も比較的良好な収率で目的生成物が得られた 以上、3年間の研究で、カチオンプール法およびアニオンフロー法を基盤として、有機カチオンの還元や有機アニオンの酸化を行い、有機ラジカルを発生させ合成反応に利用することができた。これらの成果により、レドックス反応を用いて有機活性種を異種有機活性種に変換するとともに、それらを組み合わせた新規な反応系を構築し、それにより有機活性種化学の深化を行うという目的を達成することができた。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Glycosyl Sulfonium Ions as Storable Intermediates for Glycosylations2011
Author(s)
Nokami, T., Nozaki, Y., Saigusa, Y., Shibuya, A., Manabe, S., Ito, Y., Yoshida, J.
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Journal Title
Org.Lett.
Volume: 13
Pages: 1544-1547
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cross-Coupling in a Flow Microreactor. Space Integration of Lithiation and Murahashi Coupling2010
Author(s)
Nagaki, A., Kenmoku, A., Moriwaki, Y., Hayashi, A., Yoshida, J.
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Journal Title
Angew.Chem., Int.Ed
Volume: 49
Pages: 7543-7547
Peer Reviewed
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