2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245014
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
築部 浩 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00144725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 哲史 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00285280)
三宅 弘之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00271198)
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Keywords | 希土類錯体 / 希土類発光 / 近赤外発光 / コンビナトリアル合成 / 不斉転写 / トランスフェリン / フェリチン / センシング |
Research Abstract |
サブナノメートルから10数ナノメートルに至る特徴ある分子空間を有する配位子の特性を活用して、多彩な希土類錯体にアミノ酸やプロトン、さらに無機アニオンなどに選択的な発光応答機能や円二色性(CD)応答機能を付与することに成功を収めた。さらに置換活性なアームドサイクレン-希土類錯体を系統的に合成して、配位特性に基づいたキラリティー転写系を構築した。 (1) 配位空間制御型希土類錯体の開発:水溶液中で多様な配位様式をもつ希土類錯体の設計・合成には多くの困難がある。従来の錯体設計法に加えて、多彩な発色性配位子、希土類中心、アミノ酸から構築したライブラリーを活用したコンビナトリアル合成法を確立し、アミノ酸を選択的に応答する配位空間をもつ希土類錯体を開発して、CDプローブ機能を賦与した。 (2) キラル空間制御型希土類錯体の開発:アキラルな8配位サイクレン配位子とLa^<3+>やYb^<3+>とが形成する希土類錯体は、結晶および溶液中でジアステレオマー(Δ-Λ)間の動的平衡を示す。これらの希土類錯体は、不斉アニオンとの高配位型錯体の形成を通じて、希土類中心まわりの配位子上の発色団への不斉転写現象を達成した。 (3) ナノ空間制御型希土類錯体の開発:鉄輸送タンパクのトランスフェリンや鉄貯蔵タンパクのフェリチンに発光性Tb^<3+>中心を導入し、タンパク空間の特性を活用した発光アニオンセンシング系の構築に成功した。また近赤外発光性Yb^<3+>中心を導入したタンパク-希土類錯体をpH指示薬として活用するなど、新しいバイオツールの開発を行った。
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Research Products
(22 results)