2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ化学チップを用いた単一細胞内単一DNA分子分析法の開発
Project/Area Number |
20245016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北森 武彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (60214821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 香枝 日本女子大学, 理学部・物質生物科学科, 准教授 (40373310)
加藤 大 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30332943)
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Keywords | マイクロ化学チップ / 単一DNA / RCA |
Research Abstract |
病原性とそうでない細菌の検出、また、医療診断、たとえばがん診断、敗血症診断などで、単に単一DNAの分析のみならず、単一細胞内のDNAをin situ解析する高度な要求がある。現状は、単一細胞を扱うことが困難なため、複数の細胞を使っている上、長時間にわたる煩雑な酵素反応等の操作で行っているが、診断法として満足な方法は未だに開発されていない。一方、細胞操作をマイクロ化学チップに集積化することで、実験のプロセス効率化や単一細胞分析が可能になる。そこで、申請者は、マイクロ化学チップの持つフロー反応システムと特異的DNAプローブとDNA増幅反応(Padlock/RCA法)を併せて、従来にない全く新しい、高速、高精度に単一細胞内の単一DNA分子を検出するための革新的分析法を創出することを研究目的とした。 今年度はビーズを用いることでDNAの検出までのすべての化学プロセスをマイクロ化学チップに集積化することに成功して、1万分子程度の検出性能を実証した。しかし、この手法ではDNAが捕捉される領域が5mm程度と長く、またビーズ上での検出で光学測定が困難であり、検出性能向上に限界があった。そこで、マイクロ流路内壁のガラス表面を利用してRCAを行うためのDNA部分的固定化法を開発した。光リンカーを独自に開発して、光照射部(数100um)のみにDNAを固定化することに成功した。実際に、作成した表面を利用した一分子レベルで定量することにはじめて成功した。
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