Research Abstract |
細胞やナノ粒子などの微少量試料内の微量元素の超高感度分析を目的として,マイクロプラズマ分析装置の開発を行っている。平成21年度は,超高出力パルスマイクロプラズマ源の開発を行った。その結果,独自方式のパルス電源を開発することにより,従来の1,000倍以上となる40kWまでの超高出力化に成功した。そして,発光強度では1,600倍の出力を達成した。さらに,この高出力化に伴い,従来のアルゴンとヘリウムに加えて,酸素,窒素,ネオン,空気,二酸化炭素などのガスでも安定にプラズかを生成する事に成功した。また,超音波ネブライザと組み合わせることにより,世界で初めてマイクロプラズマによる溶液試料の分析に成功した。この装置を用いて,フッ素,塩素,臭素のハロゲン元素およびナトリウムの発光分光分析を行い,ppbオーダの検出限界を実現した。 さらに,微少量試料の分析のため,微小な液滴をプラズマ中に射出できるドロプレットネブライザを開発し,マイクロプラズマに適用するための基礎実験を行った。これらの研究成果により,The 7th General Scientific Assembly of the Asia Plasma and Fusion Association Young Scientist's Best Presentation Award,日本分析化学会第70回分析化学討論会学生ポスター賞,'09筑波セミナーイーブニングセミナーポスター賞(第一位),平成21年度日本分光学会年次講演会若手講演賞を受賞した.
|