2009 Fiscal Year Annual Research Report
多色・超短パルスレーザーの発生とその応用技術の開発
Project/Area Number |
20245018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今坂 藤太郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (30127980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今坂 智子 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教務職員 (90193721)
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Keywords | 超短パルス光 / 誘導ラマン散乱 / 四波ラマン混合 / 多色レーザー / 質量分析 / パルス幅測定 |
Research Abstract |
1. 高繰り返し超短パルスレーザーの研究 基本光となる連続発振緑色レーザー(532nm)を、新しく作製した可視全域にわたって分散制御された共振器へ結合するための光学系を構築した。共振器を挿入したチャンバーにラマン媒質となる水素分子を封入し、その状態において最大13Wの基本光を共振器へ入射した。その結果、振動1次ストークス光である赤色レーザー(636nm)の発生に成功した。この赤色レーザーの横モードパターンは、共振器の基本モードと同様であることを確認し、水素圧1MPa時において発生しきい値は5W、出力光の2成分間の出力比は、最大11%であった。また、出力光強度の不安定性を観測し、これが非弾性散乱過程に起因する熱発生によるものであることを明らかにした。 2. 単一超短パルスレーザーの研究 中空キャピラリー導波路中に充填したラマン活性分子と深紫外超短パルス光の相互作用を効率的に引き起こすことによって、近紫外全領域にわたる振動1次から4次までのストークス光と振動1次アンチストークス光の発生に成功した。この時、円偏光励起光パルスが高次振動ストークス光の発生に寄与することを初めて観測した。誘導ラマン散乱過程の効率化のために、光パラメトリック増幅を利用した近紫外超短パルス光発生光学系を構築した。波長608nmにおいて、最大50μJのパルスエネルギーを取得し、その第2高調波によって、振動1次ストークス光に対応する304nm光の発生に成功した。
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Research Products
(7 results)