2010 Fiscal Year Annual Research Report
多色・超短パルスレーザーの発生とその応用技術の開発
Project/Area Number |
20245018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今坂 藤太郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 主幹教授 (30127980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今坂 智子 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教務職員 (90193721)
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Keywords | 超短パルス光 / 誘導ラマン散乱 / 四波ラマン混合 / 多色レーザー / 質量分析 / パルス幅測定 |
Research Abstract |
1.高繰り返し超短パルスレーザーの研究 連続発振緑色レーザー(出力:15W,波長:532nm)を、可視全域にわたって負分散を有する高反射ミラー(>99.5%)で構成された水素充填光共振器へ結合し、水素分子との共振器内非線形光学過程(誘導ラマン散乱)によって、振動1次ストークス光に対応する赤色レーザー(波長:636nm)を発生させた。水素圧0.25MPaにおいて、振動1次ストークス光発生しきい値9W、最大出力40mW、変換効率0.3%を得た。さらに、共振器内分散の補償による位相整合四光波混合過程を誘起するために、水素圧力を10kPaずつ変化させた。その結果、0.45MPa近傍において、振動1次アンチストークス光に対応する青色レーザー(波長:436nm)の発生に初めて成功した。 2.単一超短パルスレーザーの研究 分子のコヒーレント運動による時間領域変調法によって、深紫外(226nm)における超短パルスのスペクトル拡張の新手法を提案し、その有用性を実証した。具体的には、時間幅100fs、波長400nmの励起光と白色光をシード光とする誘導ラマン散乱によって発生した480nm光による、光ビート励起法を実現し、この手法によっては初となる振動ストークス光(300nm)の発生に成功した。また、回転ストークス・反ストークス光の発生に同様の手法を適用し、スペクトル拡張後に圧縮した広帯域(~10nm)超短パルス光を時間分解光ゲート法によって測定することで、20fsの時間幅を有する深紫外超短パルス光の発生を示唆する結果を得た。これは、本研究の目的をなる深紫外領域における超短パルス光の発生に対する有効性を実証する初めての結果である。
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Research Products
(11 results)