2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞・臓器イメージング用新規化学センシング分子試薬の開発
Project/Area Number |
20245019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 孝治 Keio University, 理工学部, 教授 (80154540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チッテリオ ダニエル 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00458952)
丹羽 修 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 副部門長 (70392644)
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Keywords | 分子プローブ / イメージング / 化学発光 / 画像診断 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
本年度は蛍光および発光イメージングの基本骨格となる、650-750nmに高い輝度(高い蛍光量子収率および大きいモル吸光係数)を持つ色素の開発を中心に研究を進めた。その場合、マウススケールまでの生体イメージングを可能とする近赤外領域に強い蛍光を持つ色素骨格を目指した。 近赤外光(650-900nm)によるバイオイメージングは、簡便、高感度かつ非侵襲的な生体組織深部の動態観察が可能であり、マウススケールでのin vivoイメージングにおいて必要不可欠な手法の一つとなっている。しかしながら、in vivoイメージング技術の根幹を支える近赤外蛍光プローブは、その種類も少なく、光学特性(輝度や耐久性)も乏しいため、いまだに理想的な性能を有する色素の開発が模索されている。そこで我々は、色素骨格から設計することでこの問題点を解決することを考え、ボロンジピロメテン(BODIPY)を母骨格とした新たな蛍光色素骨格Keio Fluor(KFL)を設計・合成した。KFLは、分子構造を変えることにより可視(547nm)から近赤外(738nm)領域内で発光波長を容易に調節できる色素基本骨格であり、これまでに計14種類のKFLを開発した(その内、近赤外蛍光を示すものは8種類)。加えて、これらはいずれも極めて高い蛍光量子収率(<98%)、高いモル吸光係数(<316,000M^<-1>cm^<-1>)、量子ドットよりも鋭い蛍光スペクトルを示し、既存の蛍光色素(ローダミン、オキサジン、シアニン、BODIPY)の特性を上回ることを確認し、世界最高水準の特性を得ることに成功した。
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Research Products
(1 results)