2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞・臓器イメージング用新規化学センシング分子試薬の開発
Project/Area Number |
20245019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80154540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 修 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 副部門長 (70392644)
久本 秀明 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00286642)
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Keywords | 蛍光プローブ / ケミカルバイオロジー / ハロタグリガンド結合リポソーム / 分子イメージング / 分子プローブ / MRIプローブ |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続き、新規の蛍光発光プローブ、および磁気共鳴(MRI)プローブの設計および合成を中心に研究を進めた。特に分子イメージングの分野で遺伝子発現タグが注目を集めていることから、GFPなどの蛍光タンパク質を用いた生物学的な手法と,有機蛍光色素などを用いた化学的な手法のメリットを組み合わせたケミカルバイオロジー的なプローブの創製を行った。 まず、哺乳類細胞で高い発現を有するCMVプロモーターの下流に、遺伝子発現タグの一種であるハロタグ(Halo Tag)結合システムのレセプターの遺伝子、さらに膜貫通ドメインの遺伝子を融合タンパクとして発現させるプラスミドベクターを構築した。このプラスミドを細胞に導入すると、細胞膜の表面にハロタグタンパクのレセプターが発現した。また、ハロタグタンパクレセプターと特異的に結合するリガンドと、蛍光プローブやMRIプローブといった機能性分子を結合させた分子を合成し、細胞膜表面に機能を付与するシステムを構築した。さらに、蛍光色素を封入したハロタグリガンド結合リポソームと、非結合リポソームを作製し、ハロタグタンパク質発現細胞に作用させ、共焦点顕微鏡で結合を確認した。その結果、ハロタグリガンド結合リポソームのみが対応するハロタグタンパク質発現細胞と結合する様子が観察され、ハロタグシステムの結合特異性を、リポソームを利用したこの研究コンセプトでも確認できた。実際に作製したリポソームに抗がん剤(ドキソルビシン)を封入し、ハロタグ発現細胞に作用させた。すると、ハロタグリガンド結合リポソームと非結合リポソームでは、抗がん作用に差を観察することができた。 このような機能を付与した機能性細胞やリポソームは癌の検出に加えて、治療を可能とする機能付与へのマルチな応用が期待できる。
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Research Products
(19 results)