2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンジュゲートを用いたアフィニティー電気泳動による遺伝子精密分析法の研究
Project/Area Number |
20245020
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 前田バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶田 徹 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 主任研究員 (30336010)
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Keywords | バイオ関連機器 / 核酸 / 高分子合成 / アフィニティー分離 / 電気泳動 |
Research Abstract |
遺伝子の一塩基変異によって正常細胞のがん化や病原菌の薬剤耐性化が生じる。本研究は、一塩基変異部位を含む小領域に相補的なオリゴDNAと、無電荷の水溶性高分子からなるブロックコポリマー(DNAコンジュゲート)をキャピラリー電気泳動のアフィニティープローブに用いることにより、正常型および一塩基変異型DNAの分離・定量法を開発することを目的とする。今年度は主に以下の2項目について検討を行った。 1.ポリエチレングリコールとペプチド核酸(PNA)からなるブロックコポリマーの合成と評価 サンプルDNAに対して強いアフィニティー相互作用をする新規プローブとして、PNAとポリエチレングリコールのジブロック共重合体を設計・合成した。サンプルDNAに対して適切な強さのアフィニティーを発現するようにPNA塩基数を選択し、さらにプローブのキャピラリー管内壁への非特異吸着がほぼ完全に抑制されるプローブ濃度を決定した。その結果、従来のDNAコンジュゲートでは実現がきわめて困難だった、フォールディングするサンプルDNAの一塩基変異分離分析に成功した。 2.アフィニティーキャピラリーゾーン電気泳動法の開発 ポリエチレングリコールとDNAからなるブロックコポリマーをアフィニティープローブに用いた、キャピラリーゾーン電気泳動法を開発した。本研究のこれまでの分離モードは、内壁を化学修飾したキャピラリー管を使用して電気浸透流を完全に抑制する電気泳動システムに基づいていた。これに対して、キャピラリーゾーン電気泳動とは、緩衝液中の分離用試薬との相互作用によって、電気浸透流に対するサンプルの相対速度が変化することを利用する分離モードである。この最も典型的な分離モードにおいても、DNAコンジュゲートが一塩基変異体の分離用試薬として機能することが明らかになり、アフィニティープローブとしての高い汎用性が示された。
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Research Products
(5 results)