2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸・塩基複合化学を基盤とする高次機能触媒の精密設計
Project/Area Number |
20245022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 一彰 Nagoya University, 工学研究科, 教授 (40221759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂倉 彰 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (80334043)
波多野 学 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (20362270)
UYANIK Muhammet 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20452188)
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Keywords | 酸 / 塩基 / 酸・塩基複合化学 / 触媒 / 塩 / 超原子価ヨウ素 / π-カチオン / 不斉触媒 |
Research Abstract |
人工触媒に酵素類似機能を組み込むために、「酸・塩基複合化学」を基に予め緻密に設計した酸と塩基を複合し、非結合性の化学的相互作用を利用して酵素レベルの触媒機能を制御することを目的に研究を行った。その結果、幾つかの優れた機能触媒を開発することができた。以下、代表的な成果を示す。 1.プロピオルアミドの不斉[2+4]及び[2+2]環化触媒反応の開発:銅(II)・L-2-ナフチルアラニンアミドキレート錯体はプロピオルアミドと環状ジエン間のエナンチオ選択的[2+4]環化付加反応並びにプロピオルアミドとアルケンやシリルエノールエーテル間のエナンチオ選択的[2+2]環化付加反応の不斉触媒として効果的であることがわかった。本触媒はナフタレン環と銅(II)カチオンのπ-カチオン錯体であり、この錯体近傍の不斉反応場が効果的に不斉誘導を発現した。 2.キラル有機アンモニウム塩触媒による不斉直截的Mannich型反応の開発:光学活性BINOLを出発原料に光学活性ビナフチルジスルホン酸(BINSA)を合成することに成功した。光学活性BINSAとアキラルアミンの塩を酸触媒にアルジミンと1,3-ジケトンのMannich反応を試したところ、高エナンチオ選択的にβ-アミノケトンを合成することに成功した。 3.超原子価ヨウ素触媒によるアルコール酸化反応の開発:2-ヨードベンゼンスルホン酸を触媒前駆体にオキソン存在下、アルコールを処理すると、選択的にアルデヒド、ケトン、カルボン酸に酸化できることがわかった。2-ヨードベンゼンスルホン酸はオキソンによって5価の2-ヨードキシベンゼンスルホン酸(IBS)に酸化され、これが触媒となり、アルコールを酸化することがわかった。IBSは既存のIBXよりも遥かに触媒活性に優れていた。
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Research Products
(46 results)