2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸・塩基複合化学を基盤とする高次機能触媒の精密設計
Project/Area Number |
20245022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石原 一彰 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40221759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂倉 彰 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (80334043)
波多野 学 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (20362270)
UYANIK Muhammet 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20452188)
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Keywords | 酸 / 塩基 / 酸・塩基複合化学 / 触媒 / 塩 / 超原子価ヨウ素 / π-カチオン / 不斉触媒 |
Research Abstract |
人工触媒に酵素類似機能を組み込むために、「酸・塩基複合化学」を基に予め緻密に設計した酸と塩基を複合し、非結合性の化学的相互作用を利用して酵素レベルの触媒機能を制御することを目的に研究を行った。その結果、幾つかの優れた機能触媒を開発することができた。以下、代表的な成果を示す。 1.キラルn-銅(II)触媒を用いるエナンチオ選択的Diels-Alder反応開発:銅(II)とスルホンアミド基を有するキラルビス(オキサゾリン)配位子からなる1:1キレート錯体はアクリロイルオキサゾリジノオンと環状及び鎖状ジエン間のエナンチオ選択的Diels-Alder反応の不斉触媒として極めて効果的であることがわかった。特に、一般的に難しいとされる鎖状ジエンとの反応において顕著なエナンチオ選択性を発現した。本触媒はスルホンアミドの酸素原子と銅(II)カチオンのn-カチオン錯体であり、銅(II)カチオンの対アニオン(-NTf2,-OTf)は配位子のスルホンアミドプロトンと水素結合しこの錯体近傍の不斉反応場が効果的に不斉誘導を発現したと考えられる。 2.キラルリチウムビナフトラート塩触媒による不斉直截的Mannich型反応の開発:光学活性BINOLを出発原料にキラルリチウムビナフトラート塩を酸・塩基触媒にN-Boc-or N-Cbz-アリールアルジミンと1,3-ジケトン、β-ケトエステル、マロン酸ジチオエステルのMannich反応を試したところ、高エナンチオ選択的にβ-アミノカルボニル化合物を合成することに成功した
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