2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245036
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
新海 征治 Sojo University, 工学部, 教授 (20038045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 俊一 崇城大学, 工学部, 准教授 (10454951)
白木 智丈 九州先端科学技術研究所, ナノテク研究室, 研究員 (10508089)
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Keywords | 多糖 / 分子認識 / 超構造 / ナノ材料 / 高分子 |
Research Abstract |
自己組織化により、次元性のある構造を足場として異種の分子や材料の集積を行うことは、新規な機能性ナノ材料を設計する手段となる。これまでに、共役高分子やカーボンナノチューブ(CNT)などの様々な機能性材料を多糖で包接したナノワイヤーの創製に成功している。今回、さらに高次なナノ組織体の創製を目的として、本ナノワイヤーを基体とした、他の材料の異方的集積や配列化による高次組織体の構築を行った。カチオン性のポリフェニレンエチニレン(PPE)とシゾフィラン(SPG)からなるナノワイヤーを新たに調製し、アニオン性のQD (CdSe/ZnS)を混合したところ、QDがワイヤー上に一次元に集積した有機無機ハイブリッドナノワイヤーが得られた。さらに、アクセプター性分子を添加すると、PPEとアクセプター性分子から電荷移動(CT)錯体が形成され、ワイヤー上に集積化したQDの発光が急激に消光された。この興味深い高感度応答は、共役系を用いたため蛍光のクエンチャーとなるCT錯体の電子欠乏サイトがワイヤー内を伝搬可能であることと、QDを集積したことで一気にQDの消光が起こる環境を構築できたことにより達成されている。この原理により、様々な有機無機ハイブリッドの創製や高感度センサーの開発が期待できる。また、別の系では、金属配位性基であるターピリジン(TPy)を側鎖に導入したSPG (TPySPG)を合成し、錯化による可逆的なCNTの配列化を行った。TPySPGの包接によってCNTを水溶化させ、これにFe2+イオンを添加すると、CNTが配列したシート状構造体が正のアロステリック効果に基づき自発的に形成された。この組織体は、EDTAの添加によって崩壊させることができ、可逆的な組織化が可能であった。以上のような組織化の制御により、集合過程を機能のスイッチングに利用するダイナミックな制御システムへの展開が期待できる。
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Research Products
(17 results)