2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜・界面構造の精密制御による電子構造と電荷輸送物性の統一的解明
Project/Area Number |
20245039
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上野 信雄 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 教授 (40111413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 一之 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (70261542)
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Keywords | 有機半導体 / 有機薄膜 / 電荷移動度 / 紫外光電子分光 / 電子状態 / 電子格子相互作用 / 有機デバイス |
Research Abstract |
当初目的の達成に向けて紫外光電子分光(UPS)装置の超高感度化に関する改良と新装置によるテスト実験を行った。並行して既存の高分解能UPS装置による有機半導体薄膜の電荷移動度の研究を推進し以下の成果を得た。 (1)実験装置の超高感度化: 試料上の異なる位置に集光された光により励起された光電子が検出器の異なる位置に収束することを利用して必要な光電子のみを選別して記録するため、小型分光器と二次元検出器を併用して装置の改良を行った。この結果、従来のUPS装置の^<10^>倍の実用感度を実現した。また有機薄膜の内部、特にうもれた位置にある基板/有機界面の検出を実現するために上記装置の分光器に第二の回折格子と光源を設置しhv=8.437eVの紫外光を単色化して利用できるようにした。 前者を利用し、ペンタセン/Au界面においてペンタセンバンドギャップ中に新たにペンタセンのHOMOに由来する電子準位が存在することを見いだし、ペンタセンの電気的性質を支配することがわかった。 (2)電荷移動度の紫外光電子分光法による研究:フッ化ペンタセンを試料とし分子間相互作用の効果を反映したHOMOバンドの分裂とホール/分子振動結合を光電子分光法によって測定することに成功した。この結果、ホッピング移動度を支配する分子間相互作用の大きさと再配列エネルギーを同時に測定することに成功した。加えてl こ れ らの実験によって有機半導体の電気伝導のキーであるポーラロン結合エネルギーの推定が行えることが判明しつつある。以上、当該計画を達成するだけでなく、当初予定より早く目標を達成しつつある。
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Research Products
(9 results)