2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜・界面構造の精密制御による電子構造と電荷輸送物性の統一的解明
Project/Area Number |
20245039
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上野 信雄 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (40111413)
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Keywords | 有機半導体 / 有機薄膜 / 電荷移動度 / 紫外光電子分光 / 電子状態 / バンドギャップ状態 / 有機単結晶 / ポーラロン |
Research Abstract |
当初の研究目的に沿って以下の研究成果を得た。 (1)超高感度紫外光電子分光(UPS)による有機半導体薄膜の界面に存在するバンドギャップ準位の測定:これまでに弱い相互作用の電極/有機半導体界面においても有機半導体のバンドギャップ中にフェルミ準位に到達する電子状態が存在し,これが界面電子準位接続を決定していることを見出した。本年度は有機/有機界面でのバンドギャップ状態の高感度測定に成功した。また、薄膜の構造完全性とバンドギャップ状態との相関をX線反射法と光電子分光法で研究し明確な関連を得た。 (2)伝導ホール/分子振動結合の研究:本年度は,高度に秩序化したルブレン単分子膜を高分解能UPSで調べ、電子-格子相互作用の中で大きな寄与が予想される、ホール-局在フォノン(分子振動)結合定数とポーラロン結合エネルギーを実験的に求めることに成功した。 (3)準粒子としてのHOMOホールバンド分散の測定:これまでに光伝導現象を活用して、絶縁性単結晶試料の帯電を防ぐ方法論を開拓してルブレン単結晶の角度分解UPSによるバンド分散測定に成功した。この手法を炭花水素として初めて超伝導が発見されたピセン単結晶へ展開していたが、本年その測定にも成功し、且つ、低速電子回折の測定にも成功した。本実験では、ピセンのバンドギャップより小さい光子エネルギーの光によって光伝導が生じることを見出し、分子エキシトンの励起が光伝導に関与することを突き止めた。尚、関連して全く新しい光電子分光法の可能性を見出している。 本基盤研究(A)によって有機半導体の電気伝導の素過程に関する革新的研究成果が得られた。これらの成果は、多くの国際会議の招待講演の対象となった。
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Research Products
(33 results)
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[Journal Article] Structure Matters : Correlating Temperature Dependent Electrical Transport Through Alkyl Monolayers with vibrational and Photoelectron Spectroscopies2012
Author(s)
H.Shpaisman, O.Seitz, O.Yaffe, K.Roodenko, L.Scheres, H.Zuilhof, Y.Chabal, T.Sueyoshi, S.Kera, N.Ueno, A.Vilan, D.Cahen
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Journal Title
Chemical Science
Volume: 3
Pages: 851-862
DOI
Peer Reviewed
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