2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平尾 一之 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90127126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下間 靖彦 京都大学, 産官学連携センター, 産学官連携准教授 (40378807)
田原 美紀 京都大学, 産官学連携センター, 研究員(産官学連携) (70437250)
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Keywords | ナノ粒子 / 無機工業材料 / プラズモニクス / レーザー / 光機能素子 |
Research Abstract |
集光フェムト秒レーザーパルスを外場として利用した光化学反応と液相における化学反応プロセスとを融合させることによって新しいナノマテリアル形成を試みた。具体的には、メタノール中に数ミクロンの金属Cu粉末を懸濁させた溶液にレーザー光を集光照射することによって、その集光領域にナノ反応場を誘起し、直径50nm、長さ2μm以上の金属Cuナノワイヤーの作製に成功した。さらに偏光方向等の照射条件を調整することにより、光誘起ナノ反応場を制御したところ、単結晶Cuからなる直径20以下の球状ナノ粒子の作製にも成功した。金属粒子のアブレーション過程(物理的な反応)と溶媒の分解反応によるH2ガス発生(光化学反応)が同時に誘起されるため、余計な化合物を添加することなく、高速かつ高選択性の新しい反応系を構築することができた。本成果を物質系で最大の磁気特性を有するNd2Fe14Bに応用したところ、シクロヘキサン中でアブレーションされた粒子は組成変動することなく、超急冷されるため、球状のアモルファスNd2Fe14Bナノ粒子(平均粒子径:約50nm)が合成されることを見出した。レーザー照射前後の粒子のVSM測定により、室温での保磁力が約1.6倍に向上することを確認し、サイズ効果による磁気特性の制御の可能を見出した。 Nd2Fe14Bは磁気ディスクヘッドをはじめとして、電気自動車用のモータとして、最も注目されている磁性材料の一つであるが、キュリー点が312℃と低いことに加え、緻密に焼結させることが問題であったが、本研究により開発したナノマテリアル合成技術を応用展開することで、ブレークスルーへの糸口を見出すことができた。
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Research Products
(9 results)