2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイズや次元の異なる構造単位を用いたシリカ系物質の高次構造制御
Project/Area Number |
20245044
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90130872)
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Keywords | 合成化学 / ナノ材料 / メゾスコピック系 / 自己組織化 / ナノ粒子 / 無機有機ハイブリッド |
Research Abstract |
本研究の目的は、「高次構造制御されたシリカ物質を合成することおよびそれを用いた新しいナノ構造体の作製」である。 i)メソポーラスシリカを鋳型とした金属/炭素ナノ構造体の作製 SBA-15やKIT-6等のメソポーラスシリカを鋳型として、金属イオンやフラーレンを導入し、それぞれ還元、炭化を行うことで、金属/炭素ナノ構造体の作製に成功した。特に金属は元素戦略上、その使用量を減らすことが重要であり、今回新しい合成法を提案できた点で意義がある。 ii)シロキサンオリゴマーを用いたシリカ系メソ構造体の精密合成 これまでに我々は直鎖アルキル基を有するアルコキシシロキサンオリゴマーを用いて、その自己組織化によりシリカ系メソ構造体を合成できることを明らかにしている。今回、有機化合物の添加によってメソ構造の種類を変化させられることを明らかし、より精密な合成が可能になった。 iii)医療応用に向けたメソポーラスシリカの合成 メソポーラスシリカを薬物担体として利用する上で、鋳型ポリマーであるP123が体内で溶出することが問題であった。今回、P123の末端にアルコキシシリル基を導入することで、P123をメソポーラスシリカ中に固定化することに成功した。これによってTHF/HC1またはH20中でP123の溶出を防ぐことができた。また、P123中にイブプロフェンを導入し溶出実験を行ったところ、イブプロフェンだけを選択的に抽出することにも成功した。
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