2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20245045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金谷 利治 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (20152788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 幸次 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80189290)
松葉 豪 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (10378854)
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Keywords | 非平衡中間体 / 結晶化誘導期 / 流動誘起中間体 / シシケバブ / 高次構造制御 / メゾ構造 |
Research Abstract |
本研究では、高分子材料の物性向上と機能化を目的として、種々の非平衡中間相を経由する結晶化機構を系統的に明らかにし、同時にこのような結晶化ルートを用いて、結晶化以前の非晶構造を「非平衡中間相」により制御し、新たな高分子結晶高次構造制御方法を開拓することを目的としている。本年度の成果としては、強い水素結合を有するポリアミド系の結晶構造における,メルト状態の構造記憶効果について調べ、水素結合を通して刷り込まれた過去の構造記憶は平衡融点以上の高温で溶融しても非常に長時間残ることが明らかになった。この現象を利用すると重合直後に記憶を埋め込むことにより、その後の構造生成のルートをを初期に与えることができ、新たな構造制御の方法になり得ることが示された。また、流動に誘起される中間体生成の研究では、平衡融点以上において通常の方法では観察できない配向構造が存在することが明らかになった。この構造は、適切なクエンチをすることにより高次構造の前駆体(鋳型)として働くことも明らかになった。すなわち、これらの前駆体構造の制御とクエンチによる生成物の関係を定量的に明らかにすることにより、新たな高次構造制御のルートが開拓できると期待できる。さらに、アイソタクチックポリプロピレン(iPP)やポリ(ブチレン-2,6-ナフタレート)において生成するメゾ相については、作成の条件とメゾ相のミクロンスケールの構造との相関を明らかにした。メゾ相からの結晶化過程での構造形成においては、昇温速度が大きく構造に影響を与えることが明らかになり、その詳細の解明が新たな高次構造形成のルーチになり得ることが示された。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Effect of Polylactide Stereocomplex on the Crystallization Behavior of Poly(L-lactic acid)2009
Author(s)
Rahman N, Kawai T, Matsuba G, Nishida K, Kanaya T, Watanabe H, Okamoto H, Kato M, Uski A, Matsuda M, Nakajima K, Honmma N
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Journal Title
Macromolecules 42
Pages: 4739-4745
Peer Reviewed
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[Journal Article] Glass transition and molecular mobility in polymer thin films2009
Author(s)
Inoue R, Kanaya T, Nishida K, Tsukushi I, Telling M.T.F, Gabrys B.J., Tyagi M, Soles C, Wu W.-I,
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Journal Title
Phys, Rev, E80
Pages: [031802-1]-[031802-4]
Peer Reviewed
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[Journal Article]2009
Author(s)
金谷利治
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Journal Title
自己組織化ハンドブック ; 高分子物の結晶化素過程と自己組織化(エヌ・ティー・エス)
Pages: 529-532
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