2008 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸酸化法による表面ナノ細孔を用いるSiO2/SiC構造の低温創製
Project/Area Number |
20246005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 光 Osaka University, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 俊郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40167698)
松本 健俊 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20390643)
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Keywords | SiC / 二酸化シリコン膜 / MOS / 硝酸酸化 / 低温酸化 / 電流-電圧特性 / 電気容量-電圧特性 / 電気特性 |
Research Abstract |
SiCは化学的に非常に安定な半導体であるため、その熱酸化には1100℃程度の高温を必要とする。高温加熱によって、SiO_2/Si界面にグラファイト様カーボンの形成等のため、デバイス特性が劣化する。本研究では、二段階硝酸酸化法を用いて、6H-SiCウェーハ上に120℃の低温で5〜10nmの膜厚を持つSiO_2膜を形成した。XPSスペクトルの観測から、SiO_2/Si界面にはグラファイト様カーボンはほとんど存在しないことがわかった。また、オージェ電子分光スペクトルを用いた深さ方向の分析から、SiO_2膜形成後加熱処理を施さない場合は酸素原子濃度がSiO_2表面からの距離と共に減少するが、酸素中900℃の加熱処理を施すことによって、酸素原子の濃度が深さ方向に対して一定になり、均一な組成の酸化膜となることがわかった。SiO_2/6H-SiC構造の上にアルミニウム(A1)電極を形成した<Al/SiO_2/6H-SiC>MOS構造を流れるリーク電流密度は、未処理のデバイスでは高かったが、酸素中での加熱処理によって大幅に低減した。未処理のMOSダイオードの電気容量-電圧(C-V)曲線にはヒステレシスが存在し、遅い欠陥準位が存在することがわかった。一方、酸素中での加熱処理によってC-V曲線中のヒステレシスは消滅し、遅い欠陥準位が消滅することがわかった。未処理のMOSダイオードのC-V曲線はシャープではなく界面準位密度が高いことを示すが、酸素中での加熱処理によってC-V曲線がシャープになり、界面準位が消滅することがわかった。
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Research Products
(8 results)