2010 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸酸化法による表面ナノ細孔を用いるSiO_2/SiC構造の低温創製
Project/Area Number |
20246005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健俊 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20390643)
山口 俊郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40167698)
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Keywords | 低温酸化 / MOS構造 / SiC / SiO_2 / 酸素原子 / 硝酸 / SiOC / 界面反応 |
Research Abstract |
本年度は、気体硝酸酸化法を用いて4H-SiCを600℃の低温で酸化して、SiO_2/SiC構造を創製する方法を検討した。SiC(000-1)C面の初期酸化速度は、Si(000l)Si面のそれよりも2.5倍大きく、活性化エネルギーが約80meV低いことがわかった。その後、拡散律速反応になるが、酸化種である硝酸が分解して生成する酸素原子の拡散の活性化エネルギーは、C面、Si面とも等しいことがわかった。Si面では、SiC/SiO_2界面に約0.4nmのSiOCが形成されるが、C面では形成されない。このSiOCはダイポールモーメントを持ち、ここで約1.leVの電位勾配が起こる。この電位勾配によって、酸化膜のSi 2p、0 lsピークが低エネルギー側にシフトする。また、SiO_2/Si界面での価電子帯の不連続エネルギーが1.leV小さくなる。さらに、<Al/SiO_2/4H-SiC(000-1)>MOS構造では、このダイポールモーメントによってフラットバンド電位が負電位側にシフトすることが分かった。硝酸酸化法で形成したSiO_2/SiC界面は原子レベルで平坦であり、(0001)方位からのずれによる0.25nmのbi-layer stepが存在する。Bi-layer stepの存在は、SiCが硝酸酸化によって二層づつ酸化されることを示している。硝酸酸化法で形成した<Al/SiO_2/4H-SiC>MOSダイオードのリーク電流密度は低く、特にC面では同膜厚の熱酸化膜よりも低いリーク電流密度が得られた。
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Research Products
(13 results)