2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛系混晶自立ウエファーの素子応用に向けた基礎研究
Project/Area Number |
20246007
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大橋 直樹 National Institute for Materials Science, 光材料センター, センター長 (60251617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 勲 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主幹研究員 (20343866)
和田 芳樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主幹研究員 (90343847)
羽田 肇 独立行政法人物質・材料研究機構, センサ材料センター, センター長 (70354420)
安達 裕 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主任研究員 (30354418)
石垣 隆正 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, グループリーダー (40343842)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 半導体ウエファー / 欠陥構造 / 表面構造 |
Research Abstract |
特に、酸化亜鉛・酸化マグネシウム系の混晶結晶について、その実用化を見据え、熱安定性の検討、デバイス用ウエファーとしての重要な機能である表面状態について、放射光を用いた光電子分光測定を通じた検討を行った。また、連携して検討を行っている企業である三菱ガス化学との連携関係において成長した、2インチ径のエピタキシャルウエファーのについて評価を行い、その基礎物性について明らかにした。 特に、光電子分光測定の結果から、高いマグネシウム濃度をもつ混晶結晶の安定性について、液相エピタキシー法や高温固相反応法で得られる混晶結晶は、そのプロセスが平衡状態に近いために、高い熱安定性を有しているのに対し、真空蒸着のような薄膜堆積技術を持って成長された、さらに高いマグネシウム濃度を有する混晶結晶は熱安定性に劣ることを示した。すなわち、ウエファー応用を考える上で、液相エピタキシー成長が優れた利点を有することを示した。熱安定性の低い結晶では、酸素空孔や陽イオン空孔が多数生成した状態になっており、見かけ上、残留キャリアーが少ないという特性を示すものの、実は、結晶内に塩化補償された欠陥が多数存在しており、そうした非平衡な欠陥が熱を加えた際に緩和する、という現象が、物理蒸着で得られる混晶結晶の低い熱安定性に関与することを示した。 次年度以降の表面の検討を可能にするための精密研磨盤をはじめ、本研究で必要となる装置や部材の調達をすすめ、研究体制を確立した。
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