2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹司 敬義 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (90125609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 和生 名古屋大学, 財)ファインセラミックスセンター・ナノ構造研究所, 研究員 (80466292)
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Keywords | 酸化物イオン伝導体 / 燃料電池 / 電子線ホログラフィ / プロトン伝導体 / 電気二重層 / イオン濃度分布 / その場観察 / ヘテロ接触界面 |
Research Abstract |
燃料電池の真の実用化のためには、その電極・電解質界面における反応をナノレベルの空間分解能で解明しなくてはならない。我々は、電子線ホログラフィその場観察により、試料内部の電位の測定から界面におけるイオンや原子空孔の動きを直接観察して反応解明のための手がかりを求めている。本研究は、燃料電池反応を実際に透過電子顕微鏡内で実現し、反応中の電解質内部の構造や、電位状態、さらにはイオンの伝導状態を3次元観察しようとするものである。そこで本年度は、電池反応を起こすことができる環境セル試料ホルダーを設計製作した。このホルダーでは、2種類のガスを同時に導入することができ、また電流を取り出したり、電圧を印加するための2つの電極を備えている。同時に、本研究では、電解質薄膜を2種のガスを隔てる壁として用いると共に、電子線ホログラフィに不可欠な参照波を取り込む領域としても用いる。そこで、隔壁としてはできるだけ厚くて丈夫な膜が、一方、参照波をとるためにはできるだけ薄く、しかも構造が均一な膜が望まれる。この二律背反的な条件を満足する電解質薄膜として市販のNafion溶液から作製した厚さ50-200nmの有機薄膜を用いるべくその電子線に対する強度や補強方法について検討した。さらに、電解質膜、電極、反応ガスとの3層界面を作る出すべく、現在、数10nmサイズの超微粒子を堆積した電極を開発中である。一方、構造変化のその場観察のため計画している実時間ステレオ観察に関しては、一応のシステムが構築済みであるが、従来の見込み角度が±2.3°で少々小さかったため、深さ方向の分解能が不足していた。そこで、±3.5°以上の角度がとれるように構造修正し現在その性能を確認中である。
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Research Products
(24 results)