2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹司 敬義 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (90125609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 和生 一般財団法人ファインセラミックスセンター, ナノ構造研究所, 研究員 (80466292)
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Keywords | 電子線ホログラフィー / 固体酸化物型燃料電池 / 酸化還元反応 / 電子エネルギー損失分光法 |
Research Abstract |
固体酸化物型燃料電池のモデルセルとして白金(Pt)/イットリア安定化ジルコニア(YSZ)試料を作製し、電界放出型透過電子顕微鏡に試料加熱機構とガス導入機構を組み込み、真空中と酸素ガス雰囲気中で100℃以上600℃まで加熱することにより、界面からの酸素イオンの吸排出,つまり、酸化還元過程を電子線ホログラフィーによる内部電位計測からその場観察する事に成功した。 即ち、真空中で加熱すると酸素分子が脱離し、残された電荷で電解質は負に帯電したかのように見えた。その状態で、流量0.03PaL/secの酸素ガスを試料に吹きかけると酸素が界面から取り込まれて内部電位は加熱前と同じ状態に戻った。さらに、混合導電体であるガドリニウム添加セリア(GDC)の場合、内部電位の変化はYSZと逆転し正に帯電したかのように見える事もわかった。 なお、これらの現象は、Ptとの界面付近数10nm程度のところでのみ観察され、数ミクロン以上離れた所や、YSZ、GDC単体では観察されず、Ptの触媒作用を顕著に表している。この酸化還元反応は、200℃程度の低温で既に始まっていることも初めて分かった。 実際に試料が、正、または、負に帯電しているとは考え難いので、上記2つの系の電極・電解質界面における電子エネルギー損失分光法(EELS)を実施したところ、真空中で加熱するとPt/YSZ系では界面近傍でYSZ中のZrイオンが+4価から+3価に変化し、Pt/GDC系ではGdが+3価から+4価に変化していることが新たにわかり、電子線ホログラフィーの結果と整合している。Ni/GDC系でも同様にGdが+3価から+4価に変化するが、同時に酸化ニッケル(NiO)も生成していることがわかった。ただし、電極/GDC界面のEELSでは単体の酸化セリウムでよく見られるCeの+4価から+3価への変化は観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)