2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関川 太郎 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90282607)
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Keywords | 高次高調波 / 光電子分光 / 空間イメージング / パルス幅計測 / 二光子吸収 |
Research Abstract |
本研究の目的はアト秒パルス計測法の考案、実現であり、今年度は、それを実現するために飛行時間型光電子分光器を稼働させることを目標とした。本年度は、まず、予備実験として、半金属・半導体多層膜鏡により高調波を分けて集光した。その結果、予想以上に多数の高調波の次数が反射されているため、多層膜鏡の使用は、光電子の空間分布を観測するのに必ずしも適していないことがわかった。そこで、以前開発した高調波の単一次数選択光学系により高調波の単一次数を切り出すことにより、光電子分布の観測をより適切に行えるようにすることとした。そして、光電子分光器を組み合わせ、光電子分光器を用いて単一次数選択光学系の時空間特性を調べた。 17次高調波(26eV)から25次高調波(39eV)まで、単一次数で分離することができた。分離した高調波をCe:YAG結晶に照射して可視光に変換し、その空間イメージングを行った。その結果、分離後のビーム形状は円形であり、そのビーム直径は58ミクロンであった。単一次数選択後の高次高調波の空間形状はこれまで計測されておらず、高調波を光源として用いた時の空間分解能を考えるうえでの一つの指針となる。 17次から23次高調波のパルス幅計測を行った。ネオン原子に高調波とレーザー基本波を同時に照射すると、2光子イオン化による光電子が発生する。その収量の、二つのパルス間の遅延時間依存性を測定することにより高調波のパルス幅を計測した。その結果、21次高調波で最短47fsのパルスを得ることができた。更に調整を行うことにより、いっそうの短縮化が見込める。以上の結果より、高調波の時空間特性を初めて明らかにすることができた。
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Research Products
(9 results)